印伝について
 
印伝とは
こちらの印伝はオリジナルですので、甲州印伝でもなければ○○印伝でもありません。自分の商品を作ったり、生地の状態で一部のメーカーに卸したりしております。もともとは生地を支給して自分の製品を作っていたものが、支給先から印伝生地を卸してほしいと頼まれてはじめたのが現在に至ります。
「印伝=印傳屋さんの商品」と勘違いされている方も多数おられますが、これは違います。印傳屋さんが印伝を制作販売しているのです。

印伝というのは、一般になめした鹿革に漆をのせて文様などを描いたものを言います。実際には豚革や牛革にのせたものもそういいます。
鹿革がなぜいいかと言いますと、しっとりしていて柔らかく、なおかつかなり丈夫なのです。メジャーリーグのグローブやボクシングのグローブなどにも使われていますし、高級手袋や、軍隊の手袋、高級車のハンドル、剣道の防具などにも使われています。また、その丈夫さの上に、弾力に富んでいるので漆ののりが違うのです。漆が盛り上がります。他の皮革ですと漆が下に沈んでしまうというか、平たくなってしまい、型押しのようになり味わいがなくなってしまうのです。
印伝生地を作る際に、まず鹿革にそれ用のなめしを行います。そして色を染めるわけですが、ヨーロッパの染めのように金属顔料を大量に使った鮮やかなものは、穴を全部塞いでしまい漆がのりません。当然スプレーなどによる吹付の着色も行えません。

漆をのせるのに、文様をくりぬいた型紙を使います。紙と言ったら、安いと思われるかもしれませんが、大変に高価です。細密画の文様をくりぬくのですが、大きさによっては、細密画と合わせて数十万円してしまいます。こちらは印伝専業ではないのでサイズは限定しています。漆をのせたあとは、乾かすことになります。これには2~3週間かかります。梅雨時などは乾きが悪いです。漆は生き物ですので熟成していきます。その過程で色なども変化していきます。こちらで白漆としているものは、ベージュといった感じの色目ですが、最終的にはかなり白くなっていきます。あがりたては、かなり色が違っています。
原皮から印伝になるまで
革をなめす機械、ドラムといいます。
 
 
 
 
 
 
 
 
                                                                      こちらで、販売している定番サイズの生地に裁断しているところです。
漆をのせる様子
 
版からはがすところ
 
 
 
文様を切り抜いてある型紙の上から漆を載せます。
このような型紙は、大変精密にできていて、ひじょうに高価です。紙1枚が10万円近くします。今では三重県の津など、限られたところでしか作っておりません。おいそれとあたらしい文様を作れません・・・。
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